求め方の説明がむずかしい比の問題を、「ひますの絵」にして考えてみましょう。

 比の問題は、様々なパターンがあって、何をどうすればいいのか説明のむずかしいものや、もとめ方の手順の区別のつけにくいものがたくさんあります。その代表例を「ひますの絵」に表して考えてみましょう。6年生の教科書に出ている典型的な問題です。

第1問目「ホットケーキを作るのに、砂糖と小麦粉を重さの比が5:7になるように混ぜます。小麦粉を210g使うとき、砂糖は何g必要ですか。」

比の問題なので、「割合」とか「元にする量」とか使いたくなると思いますが、なかなかそれがしっくりといかないでしょう。それで、「ひますの絵」にしてみます。その時の要点は、共通の「ひとまとまりの量」があるという1点です。「ひとまとまりの量」の考え方では、「比」つまり「割合」は、共通の「ひとまとまりの量」に対する「まとまりの個数」ですから、この問題は簡単に「ひますの絵」にすることができます。

「まとまりの個数」がけっこう多いので、円を書くのに途中を省略していますが、まじめに円を5個と7個書いても差し支えありません。文の読み取りで大切なのは、砂糖と小麦粉の位置と比の5:7の位置を取り違えないことです。

求め方の手順を確認します。
① 共通の「ひとまとまりの量」:@をもとめます。
    小麦粉の「す」が210で、「ま」が7ですから、
    共通の「ひ」=「す」÷「ま」で、210÷7=30
② 共通の「ひとまとまりの量」が求まったのですから、砂糖の「す」をもとめます。
    共通の「ひ」が30で、砂糖の「ま」が5ですから、
    砂糖の「す」=「ひ」×「ま」で、30×5=150

したがって、砂糖は150g必要です。

第2問目「カフェオレを1200mL作ろうと思います。牛乳とコーヒーを3:5で混ぜるとき、牛乳は何mL必要ですか。」

この問題では、カフェオレは牛乳とコーヒーを合わせたものなので、それぞれの「す」を合わせたテープ図を「ひますの絵」の上部に書く必要があります。そこが注意点です。

合計のテープ図を書くスペースがなかったら、以下のような形でもかまいません。

この問題でも、共通の「ひとまとまりの量」を書き込んでおくと、分かりやすくなると思います。また、この問題のポイントである牛乳とコーヒーを合わせたカフェオレの量が、共通の「ひまとまりの量」のいくつ分なのかも楽にわかると思います。ここからの求め方の説明は「ひますの絵」の用語を使ってしまって構わないでしょう。

求め方の手順を確認します。
①共通の「ひとまとまりの量」:@をもとめます。
    カフェオレ全体の「す」が1200で、「ま」が8ですから、
    共通の「ひ」=「す」÷「ま」で、1200÷8=150
②共通の「ひとまとまりの量」が求まったのですから、牛乳の「す」をもとめます。
    共通の「ひ」が150で、牛乳の「ま」が3ですから、
    牛乳の「す」=「ひ」×「ま」で、150×3=450

したがって、牛乳は450mL必要です。

「もっと簡単な図でも説明できるでしょう。」という人がいると思いますが、この様式で書くことによって、共通の「ひとまとまりの量」とか、「割合」は「まとまりの個数」だとか、基本的な考え方も復習しながら、「ひます」の用語を使って楽に説明することができるわけです。

比を使った問題は、同じようなものがたくさんあります。それを一読しただけでどの数値とどの数値から何をもとめればいいのかを判断するのは、とてもむずかしいと思います。

何をもとめようとしていて、そのとき何算をすればいいのか、「ひますの絵」では明確です。問題を解くということは、問題の内容を把握するということから始まります。問題全体を見渡す力をつけるためにも、ぜひ、「ひますの絵」を活用してみてほしいと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

平均の速さの問題に挑戦してみましょう。

「ひます」の用語について考えてみたいと思います。

割合の「元にする量」は、「ひとまとまりの量」です。