「速さ」の単位変換を考えてみましょう。

 「速さ」が「ひとまとまりの量」である話は、すでにしたのですが、「速さ」には単位変換というものがつきものです。なぜならば、「速さ」にはさまざまあるのです。

つまり、長さにはいろいろな単位があります。m、km、cm、mm、・・・
そして、時間にもいろいろな単位があります。時間、分、秒、日、年、・・・
それらの組み合わせで、いろいろな「速さ」の単位を作ることができるということです。

日常の移動では自動車や列車を使うので、1時間に何km進むかがわかりやすいでしょう。
歩く場合の速さは、時速も使いますが、1分間に何m進むかの方が使いやすいでしょう。
風の速さ=風速の場合は、1秒間に何mが実感しやすいと思われます。
地震に関係のある大陸や海底の移動などでは、1年で何mmがわかりやすいと思われます。

要するに、「速さ」の数値が、整数で2桁や3桁程度になるような単位がいいわけです。

たとえば、歩く速さの場合、「分速80m」は、「1分間に80mずつ進む」、ということで、これを「時速」、つまり、「1時間にどれだけ進むか」ということに換算したいと思います。

ここで大切なのは、時間の単位変換です。そのためには覚えておかなければならないことがあります。今回は、「1時間は60分間」です。では、「ひますの絵」を書いてみましょう。

速さ「ひ」は、「1分間で80m」です。ですから、この「ひますの絵」で使う単位は「分」と「m」です。
「1時間は60分間」ですから、時間「ま」を60にします。
すると、道のり「す」は、「ひ」×「ま」ですから、80×60=4800です。
長さの単位はmですから、60分間で4800m進むということになります。
ですから、「時速4800m」という答えになります。ここで、この4800をどう取り扱うかということになります。数値が大きすぎないでしょうか。4桁は扱いにくいと思います。

そこで、長さの単位を変換しましょう。数値を小さくするには、大きな単位を使えばいいので、「1kmは1000m」を使いましょう。今回はその詳細ははぶいて、4.8kmとします。

これで、適切な数値で単位変換が完了します。時速4.8kmです。

適切な数値かどうかを判断するのは、厄介な問題です。経験の少ない子供たちにとっては判断がつきにくいと思われます。それに配慮するときは、出題者側が問題内容で明確にする必要があるでしょう。社会で活用するには、数値の桁数について経験を積む必要があります。

時速を分速に直す場合は、上の「ひますの絵」とほぼ同じものを書きます。
つまり、「時速4.8km」を「分速」に直しなさいという場合は、「1時間は60分」と「1kmは1000m」を使って、「60分間で4800m進む」と考えて「す」と「ま」を書き入れます。その後「す」÷「ま」で、「ひ」を求める、と考えるということです。

速さの単位変換は、時間の単位変換が主なものです。上の「ひますの絵」をもう一度よく見て、単位変換のイメージをつかんでください。イメージがつかめれば、実際に「ひますの絵」を書かなくてもどんな計算をすればいいのか、判断がつくようになると思います。

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